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噛んで健康

噛んで健康

皆さんは食事の際、しっかり噛んで食べていますか?
よく噛むことにより唾液が多く分泌され、唾液に含まれる消化酵素が十分働き、体内での消化吸収が良くなり、胃腸の負担が減少します。
また、唾液には抗菌物質が含まれており、唾液がたくさん分泌されると虫歯や歯周病の予防にもなります。
他にも多くの効果があります。
普段何気なく行っている「噛む」ことで、脳が活性化することが明らかになってきました。

噛む=脳トレ

噛むことで脳内の血流が増え、脳の様々な領域が活性化します。
特に、脳の前頭前野と海馬が顕著に活性化します。
前頭前野はさまざまな情報を統合し、物事の判断力、集中力、コミュニケーション力など社会生活を営む上で不可欠な働きを担っています。
また、海馬は記憶力をつかさどる重要な部位で、海馬が刺激され活性化すると記憶力の低下など脳の老化を防ぐことができます。
そのため、よく噛むことは認知症の予防につながると考えられています。

噛む=リラックス効果
しっかり噛み続けると、血液中のセロトニン濃度が増加します。
セロトニンは、ストレスを緩和し、幸福感を高めるため、この分泌が増えるとうつなどの改善にも効果があるといわれています。
さらに、セロトニンには、睡眠ホルモンのメラトニンを作り出す材料でもあり、セロトニンがたくさん出ると夜、ぐっすり眠れるという効果もあります。
また、噛むと脳からα波が出ることもわかっています。
α波とは脳波の一種で、集中力や記憶力を高めてくれます。
集中力とリラックスの両方が必要なスポーツ選手が、ガムを噛んでプレーしているのはこのためです。

噛む=肥満予防

よく噛むことは、ゆっくり食事をすることになるので、満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぎます。
また、代謝活動も活発になり体脂肪が消費できます。
さらに、生活習慣病の原因にもなる内臓脂肪を分解し、脂肪の合成を抑えるのに効果的です。
よく噛み、ゆっくり食事をすることが、肥満や生活習慣病の予防や対策につながるのです。

昔の食べ物に比べて、やわらかい食べ物が増え、噛みごたえのある食べ物が減ってしまった現代では、噛むことを意識する必要があります。
また、しっかり噛むには、健康な歯や正しいかみ合わせも重要です。
噛む本数が少ないほど、また、咀嚼能力が低いほど認知症の発症する割合が高くなっているといわれています。
もし、歯を失ったとしても、入れ歯やインプラントを活用するなどして、噛む力の維持に努めることが大切です。
脳の老化防止や健康のために、よく噛む習慣を身につけたいものです。